認知症だった人の遺言書は、相続割合の話し合いにおいてどう扱われる?

認知症だった人の遺言書は、相続割合の話し合いにおいてどう扱われる? 遺産相続の際に遺言書がある場合には、相続人は原則として遺言の内容に従って遺産の分割を行うことになります。
ただし遺言書が有効になるためには法律が定める一定の要件を満たすこと以外に、亡くなった人が遺言を作成する十分な能力を有していたと認められることが必要です。
正常な判断能力のない認知症だった人の遺言書は、法律上はその効力が認められず無効になります。
遺言書が無効となった場合には、遺言が存在しない場合と同様に取り扱われるのです。
遺産分割の割合は相続人による話し合いで決定され、話し合いで合意に至らない場合には法定相続分に基づいて調停や裁判などの方法で決定されることになります。
ちなみに亡くなった人の認知症の状態が軽度であり、一般的な判断能力を有すると医師が診断した場合には、遺言書に法的な効力が認められる可能性があります。
軽度の認知症の人が遺言をしたいという場合には、医師の診察を受けて判断能力を証明する診断書を作成してもらうのがよいでしょう。

相続にまつわる大切な法律

相続にまつわる大切な法律 相続にまつわるトラブルが増えているようです。
家族、親族による骨肉の争いなどは、よく起こることです。
このような無用なトラブルを避けるためにも、相続に関する基本的な知識を理解しておくことが大切です。
たとえば父親が亡くなった場合、父親の資産が相続の対象となることは誰でもわかるでしょう。
ところが、資産だけでなく負債や権利、義務なども対象となります。
そのため例えば父親が借金を残したまま亡くなった場合、妻や子供はその借金を代わりに返済しなければならなくなります。
ただ借金の額が資産よりも多い債務超過だった場合はどうしたら良いのでしょうか。
父親に変わって返済だけをし続けなければならないとなると大変なことです。
そのような場合は法律では「相続放棄」をすることが認められています。
放棄すると、借金を支払わなくても良くなります。
しかし妻や子供が放棄すると、その借金は祖父母や父親の兄弟姉妹が背負うことになりますので、よく話し合うことが大切です。